いびきの原因と睡眠時無呼吸症候群|危険ないびきの特徴と検査について

一緒に住んでいるご家族から「いびきをかいていたよ」と言われたことはありませんか。
また、自分のいびきで目が覚めてしまった経験はありませんか。

いびきは、多かれ少なかれ誰にでも起こることがあります。
しかし、いびきの中には、睡眠時無呼吸症候群が関係しているものもあります。

一方で、すべてのいびきが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。
今回は、いびきの原因、危険ないびきの特徴、睡眠時無呼吸症候群との関係、検査や治療についてわかりやすく解説します。

いびきとは?

いびきとは、寝ている間に空気の通り道である気道が一部狭くなり、空気の流れが悪くなることで起こる音です。

睡眠中に気道が狭くなると、息を吸うときに空気が通りにくくなります。
その結果、喉の粘膜や軟口蓋などが振動し、いびきの音が出ます。

起きているときは、喉のまわりの筋肉にある程度の緊張があるため、気道は保たれやすい状態です。
しかし、睡眠中は筋肉がゆるむため、気道が狭くなりやすく、いびきが起こりやすくなります。

一時的ないびきであれば、大きな問題にならないこともあります。
しかし、毎日のようにいびきをかく場合や、呼吸が止まっていると指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

いびきが起こりやすい原因

いびきには、いくつかの原因があります。
代表的なものを見ていきましょう。

① 肥満

肥満は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の大きな原因の一つです。

体重が増えると、首まわりや喉のまわりにも脂肪がつきやすくなります。
その結果、睡眠中に気道が狭くなり、いびきが起こりやすくなります。

特に、体重が増えてからいびきが大きくなった方、首まわりが太くなった方は注意が必要です。

② あごが小さい・喉の構造

もともとあごが小さい方は、気道が狭くなりやすく、いびきをかきやすい傾向があります。

日本人では、肥満が目立たなくても、あごの小ささや顔の骨格の影響で睡眠時無呼吸症候群が起こることがあります。
「太っていないから大丈夫」とは言い切れません。

③ 鼻づまり・鼻炎

鼻づまりがあると、鼻から空気が通りにくくなり、口呼吸になりやすくなります。

口呼吸になると、喉の気道が狭くなりやすく、いびきが発生しやすくなります。
花粉症などのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼻のポリープなどが関係することもあります。

鼻づまりが強い方では、耳鼻科的な治療によっていびきが改善する場合もあります。

④ 飲酒・睡眠薬

お酒を飲むと、喉のまわりの筋肉がゆるみやすくなります。
その結果、睡眠中に気道が狭くなり、いびきが悪化することがあります。

特に寝る前の飲酒は、いびきや睡眠時無呼吸を悪化させる原因になることがあります。
いびきが気になる方は、飲酒量を控え、寝る前の飲酒を避けることをおすすめします。

また、睡眠薬を使用している方では、薬の種類や体質によって、喉の筋肉がゆるみやすくなることがあります。
自己判断で中止する必要はありませんが、いびきや日中の眠気が気になる場合は、医師に相談してみましょう。

⑤ 加齢

年齢を重ねると、喉のまわりの筋力が低下しやすくなります。
そのため、若い頃はいびきをかかなかった方でも、中高年以降にいびきが目立つようになることがあります。

また、体重増加や生活習慣病が重なることで、睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合もあります。

いびきの種類

いびきは、原因によっていくつかのタイプに分けられます。

① 単純性いびき

単純性いびきは、疲労、飲酒、風邪、鼻づまり、仰向け寝などによって一時的に起こるいびきです。

一時的なもので、日中の強い眠気や無呼吸の指摘がない場合は、すぐに病気と考える必要はないこともあります。

ただし、いびきが年々強くなっている場合や、毎日のように続く場合は注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。

② 鼻閉型のいびき

鼻閉型のいびきは、鼻づまりや鼻炎により、鼻から空気が通りにくくなることで起こります。

鼻が詰まると口呼吸になりやすく、喉の気道が狭くなることで、いびきが出やすくなります。
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などが関係することがあります。

③ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびき

注意が必要なのが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびきです。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に気道が狭くなったり、ふさがったりすることで、一時的に呼吸が止まります。
その後、呼吸が再開するときに、大きないびきが出ることがあります。

このタイプのいびきでは、次のような特徴がみられます。

・いびきが突然止まる
・かなり大きないびきをかく
・呼吸が止まった後に「ガッ」と大きな音とともに呼吸が再開する
・朝起きた時に頭痛がある
・日中に強い眠気がある
・寝ても疲れが取れない

このような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、単なる音の問題ではありません。
睡眠中に低酸素状態が繰り返されることで、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの病気と関係することがあります。

④ 中枢性睡眠時無呼吸によるいびき

数は多くありませんが、脳や神経の働きの異常により、呼吸の指令がうまく出なくなることで起こる睡眠時無呼吸もあります。
これを中枢性睡眠時無呼吸といいます。

中枢性睡眠時無呼吸は、脳梗塞、脳出血、心不全などが関係する場合があります。
一般的ないびきとは異なり、背景に別の病気が隠れていることもあるため、医療機関での評価が必要です。

危険ないびきの特徴

次のようないびきがある場合は、注意が必要です。

・毎日のようにいびきをかく
・隣の部屋まで聞こえるほど大きないびきがある
・いびきが途中で止まり、その後に大きないびきとともに呼吸が再開する
・寝ている間に息が止まっていると指摘されたことがある
・朝起きた時に喉が渇く
・朝起きた時に頭痛がある
・日中に強い眠気がある
・集中力が続かない
・寝ても疲れが取れない

3つ以上当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
早めに医療機関へご相談ください。

特に、ご家族から「寝ている間に息が止まっている」と言われたことがある場合や、運転中に眠くなる場合は、早めの検査をおすすめします。

いびきを放置するとどうなるのか

いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合、放置することで体に負担がかかることがあります。

睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に何度も呼吸が止まり、血液中の酸素が低下します。
この状態が繰り返されると、心臓や血管、脳に負担がかかることがあります。

また、睡眠が分断されることで、日中の眠気、集中力の低下、仕事中のミス、運転中の眠気につながることがあります。

いびきを「体質だから仕方ない」と考えず、危険なサインがある場合は検査を受けることが大切です。

いびき・睡眠時無呼吸症候群の検査方法

いびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、主に以下の検査を行います。

簡易睡眠検査

簡易睡眠検査は、ご自宅で行える検査です。
小型の検査機器を装着して一晩眠ることで、睡眠中の呼吸の状態や酸素の低下を調べます。

主に確認する項目は、呼吸の状態、無呼吸や低呼吸の回数、血液中の酸素飽和度、心拍数などです。

簡易睡眠検査は、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査として行われます。
検査結果によっては、さらに詳しい精密検査が必要になることがあります。

精密検査(PSG検査)

PSG検査は、睡眠の状態をより詳しく調べる検査です。
以前は入院して行うことが一般的でしたが、現在は医療機関によっては自宅で検査できる場合もあります。

PSG検査では、脳波、呼吸、血液中の酸素飽和度、いびきの状態、心電図、体の動きなどを詳しく測定します。
この検査により、睡眠の質、無呼吸のタイプ、無呼吸の重症度をより正確に評価できます。

いびきの改善方法

いびきが気になる場合、まずは生活習慣の見直しが大切です。

① 減量

肥満がある方では、体重を減らすことで首まわりや喉のまわりの脂肪が減り、いびきが軽くなることがあります。

急激な減量ではなく、食事や運動を見直しながら、無理のない範囲で体重管理を行うことが大切です。

② 飲酒を控える

お酒を飲むと喉のまわりの筋肉がゆるみやすくなり、気道が狭くなることで、いびきが悪化することがあります。

いびきが気になる方は、飲酒量を控え、特に寝る前の飲酒を避けることをおすすめします。

③ 横向きで寝る

横向きで寝ることは、比較的取り組みやすいいびき対策の一つです。

仰向けで寝ると、重力によって舌の付け根が喉の奥に落ち込み、気道が狭くなりやすくなります。
横向きで寝やすいように、体の横に枕や布団を置くことで、いびきが軽くなる場合があります。

④ 枕の高さを調整する

枕の高さを調整してみることも大切です。

首の骨である頸椎が自然なカーブを保てる高さの枕を選ぶことで、いびきが軽くなる場合があります。
高すぎる枕や低すぎる枕は、気道を狭くすることがあるため注意が必要です。

⑤ 鼻づまりを治療する

鼻炎や副鼻腔炎などによって鼻づまりがある場合、口呼吸になりやすく、いびきが悪化することがあります。

鼻づまりが強い方は、耳鼻科での治療を検討することも大切です。

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

生活習慣の改善を行ってもいびきが改善しない場合や、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、医療機関で検査を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、重症度や原因に応じて、以下のような治療が検討されます。

CPAP療法

CPAP療法は、睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り、喉の空気の通り道がふさがらないようにする治療です。

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群でよく行われる治療です。
CPAP治療を始めて数日で、朝の目覚めがすっきりした、頭痛が軽くなった、日中の眠気が改善したと実感される方もいます。

ただし、効果の感じ方には個人差があります。
継続して使用するためには、マスクの調整や鼻づまりへの対応なども大切です。

マウスピース治療

軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群では、マウスピース治療が選択されることがあります。

睡眠時無呼吸症候群に使うマウスピースは、下あごを少し前に出すことで、喉の空気の通り道を広げる装置です。
歯ぎしり用のマウスピースとは目的が異なります。

歯の状態や顎関節の状態によっては使用できない場合もあるため、医師や歯科医師と相談しながら検討します。

手術や耳鼻科的治療

扁桃が大きい、鼻づまりが強い、鼻中隔弯曲症があるなど、鼻や喉の構造が関係している場合には、耳鼻科的な治療が検討されることがあります。

ただし、成人の睡眠時無呼吸症候群では、肥満、骨格、生活習慣など複数の要因が関係していることが多く、手術だけですべて解決するとは限りません。

当院でできる検査・治療

つつじヶ丘駅前内科クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療に対応しています。

簡易睡眠検査はご自宅で行うことができ、必要に応じてPSG精密検査にも対応しています。
また、CPAP治療の導入や継続管理、マウスピース治療の相談にも対応しております。

内科では、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療に加え、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などの生活習慣病の管理も含めて、総合的に診療することが可能です。

いびきや睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病や心臓・脳血管の病気と関係することがあります。
当院では、睡眠の問題だけでなく、全身の健康状態も含めて診療いたします。

まとめ

いびきは誰にでも起こることがありますが、中には睡眠時無呼吸症候群が関係している危険ないびきもあります。

特に、毎日のように大きないびきをかく方、寝ている間に息が止まっていると指摘された方、朝起きても疲れが取れない方、日中に強い眠気がある方は注意が必要です。

いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合、心臓や血管、脳への負担、日中の眠気、交通事故リスクにつながることがあります。

「いびきだけだから大丈夫」と思わず、気になる症状がある方は一度医療機関で相談してみましょう。

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