尿潜血・血尿

血尿は、尿中に赤血球が混ざる現象を指します。肉眼で確認できる明瞭な血尿と、顕微鏡検査でのみ確認される微量の血尿が存在します。
肉眼的血尿は尿がピンクや赤、茶色に変色して見えるのに対して、顕微鏡的血尿は色の変化は見られませんが、細かい検査で赤血球の存在が確認されるものです。

血尿の原因

血尿の原因は、尿の生成や排泄に関わる経路での問題によって起こります。大別して、腎臓（蛇口）の問題と尿路（ホース）の問題の2つに分けられます。

腎臓に関する原因

腎臓の炎症（腎炎）で、免疫系の異常や感染などが原因となります。
急性に悪化している腎臓疾患の場合は、ステロイドなどを使用して治療を開始する場合があります。
慢性的に血尿が出ている場合は、すぐに治療を開始するのではなく、日数をかけて更に詳しい検査（腎臓の生検）が必要かを判断していきます。

尿路に関する原因

①尿路感染症

膀胱炎や尿道炎など、尿の排泄経路における感染が原因となることがあります。
膀胱炎症状（頻尿、排尿時痛など）があれば、抗生物質を内服する治療を開始します。
しかし、特に症状がない場合は、特に治療をせずに水分接種を促し、薬を使用しない場合もあります。

②尿管結石

尿の経路に結石が形成され、これが原因で血尿が出ることがあります。
この場合の血尿は、結石がすでに排出されていれば、鎮痛薬のみで経過をみます。
尿管結石を繰り返している方には、予防として治療薬を開始することもあります。

③悪性腫瘍（がん）

膀胱や尿管などの尿路系にできるがんも血尿の原因となることがあります。
尿を細胞診という詳しい検査を行い、悪性細胞が尿の中に入っていないか確認します。

診断と治療

血尿の原因を特定するためには、尿検査、超音波検査、などの詳細な検査が行われます。これらの検査を通じて、原因を特定し、適切な治療方針を決定します。場合によっては、より詳細な検査や治療を必要とするため、高次医療機関への紹介が必要となることも考えられます。

血尿は、腎臓や尿路に関わるさまざまな病気の兆候となることがあります。早期の段階で適切な治療を受けるためにも、異常を感じたらすぐに医療機関での診断を受けることが重要です。

当クリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な検査と治療をご提案いたします。