CPAPのマスクにはどんな種類があるのか

CPAPマスクの種類

当院では、睡眠時無呼吸症候群の治療としてCPAP治療を行っています。

CPAPを始める患者さんからよく聞かれる質問の一つに、「マスクにはどのような種類があるのですか?」「自分にはどれが合いますか?」というものがあります。

実は、CPAP治療においてマスクは非常に重要な役割を果たすため、その選択はとても大事なポイントです。今回はCPAPのマスクの種類、それぞれの特徴、そして選び方についてご紹介いたします。

CPAPとは?

睡眠時無呼吸症候群の治療として、CPAP(シーパップ)治療はどのようなものなのでしょうか。

CPAPは、鼻や口に装着したマスクから空気を送り込むことによって、閉塞していたり狭くなっていたりする気道を、塞がらないように押し広げる治療になります。睡眠中に気道が狭くなって呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群に対して、最も効果が高い治療とされています。

この治療において、機械から発生する空気を人の体(すなわち鼻や口)に届けるために必要なのがマスクです。毎日使用していただくものなので、自分に合ったマスクを選ぶことが、継続して治療を続けるための大切なポイントになります。

CPAPマスクの種類

CPAPの鼻マスク

CPAPのマスクは、顔のどの部分をどれくらい覆うかによって、大きく3つのタイプに分けることができます。

①鼻マスク(ネーザルマスク)

鼻全体を覆うタイプで、CPAP治療で最も多く使われているマスクです。

メリット
・種類が豊富で、ご自身の顔や鼻の形に合わせて選びやすいのが特徴です。
・サイズが大きすぎないため付け心地が良く、空気が安定して送り込まれるため、高い治療効果が期待できます。

デメリット
・鼻詰まりがある方には使いにくい場合があります。
・寝ている間に口が開いてしまう方は、そこから空気が漏れて治療効果が損なわれる可能性があります。

以上のことから、初めてCPAP治療を始める方には、まずこの鼻マスクをお勧めすることが多いです。

②鼻ピロータイプ

鼻の穴に小さなピローを直接当てて治療するタイプです。

メリット:
・顔に触れる部分が少ないため、圧迫感が少ないです。
・眼鏡をかけたまま使用することが可能です。
・鼻の穴に当てるだけなので、顔にマスクの跡が残りません。

デメリット:
・鼻の穴に直接空気を送り込むため、鼻腔内が乾燥しやすくなります。
・寝相によってはマスクが外れてしまうことがあります。

マスクによる圧迫感が苦手な方には、この鼻ピロータイプをお勧めします。

③フルフェイスマスク

鼻と口の両方を覆うマスクになります。鼻と口の両方を覆いますので、3つのタイプの中では一番大きいマスクです。

メリット
・鼻詰まりがある方でも口から呼吸ができるので、治療効果を得やすいです。
・ 口も覆われますので、高い圧力を使って治療しても安定して使えます。

デメリット
・マスクが大きいため、圧迫感を感じやすいです。
・マスクの跡がつきやすいという面もあります。

寝ている間に口が開いてしまうという方には、こちらをお勧めすることが多いです。

マスク選び

CPAPのマスク選びの方法

以上3つのマスクをご紹介しましたが、どういったポイントで選べばいいのかをご紹介します。

①鼻の通りに関して
慢性的な鼻詰まりや鼻炎がある方は、鼻だけのマスクではなかなか治療効果を得ることができません。そのため、鼻と口の両方を覆う「フルフェイスマスク」を検討する場合もあります。

②口呼吸かどうか
朝起きた時に口が乾いている方は、口を開けて寝ている可能性があります。そのため、鼻だけの治療では効果が得られにくく、フルフェイスマスクを検討する場合があります。

③圧迫感をどれだけ感じるか。
マスクをつけて寝ることに慣れていない方がほとんどですので、どうしても圧迫感を感じてしまいます。なかなか寝付けないという方には、接地面積が小さく圧迫感の少ない「鼻ピロータイプ」をお勧めします。

④寝相が悪いか
寝相が悪いと布団や枕にマスクが当たってずれやすいため、その場合はコンパクトなタイプの方が合う可能性があります。

マスクに慣れる

最初、マスクをつけて寝るのはとても不快です。なかなか1ヶ月、2ヶ月はマスクに慣れないことが多いですが、使い続けることで、いつの間にか長時間使えるように体が慣れてくるものです。

ここでは、マスクに慣れるための工夫をご紹介します。

①まずはつけてみる
まずはつけてみましょう。装着して寝てみて、10分や15分経っても寝つけないようであれば、最初は外して寝てしまって構いません。寝る時に一度つけるという動作を繰り返しているうちに、だんだんと体が慣れてきます。

②ベルトを締めすぎない
使い始めの頃は、つい気になってベルトをきつく締めすぎてしまうことがあります。もちろん、ある程度しっかり締めた方が空気漏れは防げますが、きつすぎるとかえって逆効果になる場合もあります。
マスクのクッションは適度なゆとりがある方が顔にフィットしますので、締めすぎには注意してください。

③乾燥への対策
喉がカラカラになる方は、加湿器を併用しましょう。CPAPを使って喉が渇くときは、以下の方法で湿度を上げるようにしてみてください。どうしてもCPAPは空気を送る仕組み上、口や鼻が乾燥しやすくなります。
簡易的な方法として、まずは部屋に加湿器をつけながら寝ることをお勧めします。CPAP本体の加湿機種によっては、本体に専用の加湿器を取り付けられるものもあります。ただし、ここで一点注意があります。CPAP本体に取り付ける加湿器には、普通の水道水は使わないでください。細菌が繁殖しやすいため、必ず市販されている精製水を使用するようにしてください。

マスクの手入れ

CPAPのマスクは毎晩使うものですので、お手入れがとても大事です。

汗がつくとクッションの素材が傷みやすく、フィット感が悪くなりますし、肌荒れの原因にもなります。そのため、なるべく毎日クッションの部分は水かぬるま湯で軽く洗い、よく乾かしましょう。

  1. 日常のお手入れ
    なるべく毎日、クッションの部分を水かぬるま湯で軽く洗い、よく乾かしてください。
  2. 週に一度のお手入れ
    週に1回程度は、マスク全体やベルトを中性洗剤などで優しく洗ってみてください。

クッション部分は消耗品ですので、長く使ってくると空気漏れが増えてくることがあります。最近漏れが多いと感じていたら、部品の交換時期かもしれません。定期受診の際にご相談ください。

マスクが合わないと感じたら、我慢せずにご相談を

CPAPの治療で最も大切なのは、マスクを継続的に使うことです。マスクが合わないからといって、せっかくレンタルしているのに使わないというのは非常にもったいないです。治療の最中でもマスクの変更は可能ですので、不具合や違和感を覚える方は、ぜひ一度定期受診の際にご相談してみてください。

マスクが合わないなと感じたら、遠慮なくお話しいただければと思います。