睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。いびき、日中の眠気、夜間頻尿、朝の頭痛などがきっかけで疑われることがありますが、症状だけでは正確に診断することはできません。
家族に無呼吸を指摘された、いびきが大きい、日中に眠くなるといった症状は大切な手がかりです。しかし、実際に睡眠中にどれくらい呼吸が乱れているか、酸素濃度がどれくらい下がっているかは、検査で確認する必要があります。
アメリカ睡眠医学会の診療ガイドラインにおいても、問診や症状だけで睡眠時無呼吸症候群を診断するのではなく、睡眠検査を行った上で評価することが推奨されています。
まずは問診で症状やリスクを確認
検査の前には、いびきや無呼吸の指摘、日中の眠気、朝の頭痛、運転中の眠気などを確認します。
また、体重増加、鼻詰まり、飲酒の習慣、高血圧、糖尿病といった生活習慣も重要です。
睡眠時無呼吸症候群は、本人が自覚しにくい病気です。寝ている間の呼吸の状態は自分ではわからないため、ご家族や同居している方からの「寝ているときに息が止まっている」「息が急に止まって、その後大きないびきをかく」といった情報が診断の手がかりになることもあります。
簡易検査(自宅で検査可能)
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず簡易検査を行います。簡易検査では、寝る前に小型の機器を装着し、睡眠中の呼吸の状態や血液中の酸素の変化などを確認します。

一般的には、指先に酸素を測るセンサーをつけ、鼻の下に呼吸の流れを見るセンサーを装着して眠ります。検査中は以下の項目などを評価します。
- 呼吸が止まる回数
- 呼吸が浅くなる回数
- 酸素飽和度の低下
検査費用は、3割負担の方で4000円程度です。

精密検査(自宅で検査可能)
簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる場合は、より詳しい精密検査が必要となることもあります。
代表的なのは「終夜睡眠ポリグラフ検査」、いわゆるPSG検査です。PSG検査では呼吸の状態だけではなく、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、酸素飽和度、体の向き、いびきなどを詳しく記録します。これによって、無呼吸や低呼吸がどの程度起こっているかを評価します。
検査費用は、2026年6月に診療報酬改定がなされ、3割負担の方で、今までの1万5000円→8000円程度に安くなりました。

検査で確認する主な指標
睡眠時無呼吸症候群の検査では、無呼吸や低呼吸が1時間あたり何回起こっているかを示す「AHI」という指標がよく使われます。AHIが高いほど、睡眠中に呼吸が乱れる回数が多いことを意味します。
また、以下の項目についても確認します。
- 血液中の酸素がどの程度低下しているのか
- 酸素低下が何回起きているのか
- いびきや体位との関係があるか
単に無呼吸の回数だけを見るのではなく、症状、酸素の低下の程度、日中の眠気なども合わせて評価することが大切です。
検査を受けた方が良い方
- 大きないびきを指摘される方
- 睡眠中に呼吸が止まると言われた方
- 朝起きても疲れが残る方
- 日中に強い眠気がある方
- 運転中に眠くなる方
これらの方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討した方がよい場合があります。
また、高血圧、糖尿病、心房細動、心筋梗塞や狭心症のある方でも、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。生活習慣を整えているのに血圧が安定しない、血糖が改善しないという方は、睡眠の状態を確認することもおすすめです。
