起床時の頭痛と睡眠時無呼吸症候群

朝起きた時に頭が痛い、すっきりしない。こんな症状を経験したことはありませんか?

朝起きた時の頭痛は、睡眠時無呼吸症候群、肩こり、偏頭痛、飲酒、脱水、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。そのため、朝に頭痛があるからといって、すぐに睡眠時無呼吸症候群だと決めつけることはありません。

しかし、以下の症状を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群の原因が隠れているかもしれません。

・睡眠中の無呼吸
・大きないびき
・朝のだるさ

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が浅くなったり、止まったりする疾患です。睡眠中に空気の通り道が狭くなることで、体内の酸素が低下して睡眠が中断され、結果的に朝起きた時に「頭痛」や「頭が重い」と感じることがあるんです。

朝起きた時の頭痛は、睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群では日中の眠気がよく知られていますが、朝起きた時の頭痛が見られることもあるんです。

2024年に発表された研究結果では、睡眠時無呼吸症候群の患者さん1万5,000人を対象に解析が行われました。その結果、患者さんにおいて頭痛を持っている確率は33%と多くなっています。

Błaszczyk B, et al. Prevalence of headaches and their relationship with obstructive sleep apnea: a systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews. 2024.

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に喉の奥が塞がり、呼吸が浅くなったり止まったりしてしまう病気です。呼吸が止まることで体内の酸素が低下し、脳が覚醒状態になってしまうため、本人は眠っているつもりでも、実は脳が起きているという状態が引き起こされてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状には、以下のものがあります:

  1. 日中の強い眠気
  2. 大きないびき
  3. 起床時の頭痛

この病気は決して珍しいものではなく、成人男性の約22%、女性の約17%に症状があると報告されています。

特に一人暮らしの方は、いびきや無呼吸を家族から指摘される機会がないため、発見が遅れがちです。起床時の頭痛や日中の眠気、疲労感が続くという方は、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみることも一つの大事なステップです。

なぜ睡眠時無呼吸症候群は、朝に頭痛が起きるのか

睡眠時無呼吸症候群で朝に頭が痛いという理由は、完全に解明されていません。しかし、いくつかの原因が関係していると言われています。

  1. 睡眠中の酸素低下
    睡眠中に呼吸が停止してしまうと、体の酸素濃度が低下します。酸素が足りなくなると血管や脳に負担がかかり、頭痛につながる可能性があるんです。
  2. 二酸化炭素の上昇
    呼吸が止まると、体の中に二酸化炭素の濃度が上昇します。それにより脳の血管が拡張し、頭痛の原因になると言われているんです。

さらに、無呼吸によって睡眠が何度も分断されることで、脳が浅い眠りになります。その結果、朝起きたときに頭が重い、すっきりしない、頭痛がするという症状が出るとされています。

ただし、研究によっては、朝の頭痛と無呼吸の重症度は必ずしも相関しないという報告もあります。そのため、朝の頭痛が必ずしも睡眠時無呼吸症候群だけとは限りません。実際には、血圧、ストレス、肩こりなどもいろいろと考える必要があるんです。

睡眠時無呼吸症候群の頭痛について

睡眠時無呼吸症候群による頭痛の特徴

睡眠時無呼吸症候群の頭痛には、特徴的な症状があります。

  1. 朝起きた時に感じる頭痛
    (a) 特に両側に出ることが多く、圧迫されるような痛みや重たい痛みとして感じることがあります。
    (b) 片頭痛のような光や音がうるさく感じたり、吐き気を伴ったりすることは比較的少ないとされています。
  2. 起床後、しばらくすると自然に軽くなる
    (a) 具体的には、4時間以内に改善することが多いのが特徴です。

一方で、以下のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群以外の頭痛の可能性があります。

・朝の痛みが非常に重い
・吐き気や麻痺がある
・ろれつが回らない
・今までに経験したことがないような激しい頭痛
・痛みが長時間続く

上記のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してみてください。

CPAP(シーパップ)治療で、朝の頭痛が改善することもあります。

睡眠時無呼吸症候群によって朝の頭痛が引き起こされている場合、治療によってその頭痛が改善することもあります。

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法として、CPAP(シーパップ)治療があります。CPAPとは、寝ている最中に鼻に装着したマスクから空気を送り、喉の狭くなっている部分を広げてあげる治療です。呼吸の状態を改善することで、睡眠中の酸素低下や睡眠の分断を改善します。

2023年の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者さん116人を対象に、CPAP療法によって朝の頭痛がどのように変化したかを調べています。その結果、朝の頭痛を持っていた方は、治療前は53.4%だったのに対し、CPAP治療後は16.4%にまで低下しています。

Seo MY, et al. Improvement of morning headache in adults with obstructive sleep apnea after positive airway pressure therapy. Scientific Reports. 2023.

ただし、CPAP治療で必ずしも頭痛が改善するわけではありません。

先ほども話しましたが、睡眠時無呼吸症候群以外の可能性(睡眠不足や片頭痛、ストレス、肩こりなど)がある場合は、CPAP治療だけでは頭痛が改善しないことがあり得ます。

起きた時の頭痛がある方で確認したい症状

朝の頭痛がある方は、頭痛そのものだけでなく、生活習慣や睡眠の状態も一緒に確認することがとても大切です。

以下の症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります:

  1. 日中に強い眠気がある
  2. 朝の血圧が高い
  3. 寝ている間に息が止まっていると指摘されたことがある
  4. 肥満傾向にあり、首周りが太い
  5. 飲酒後にいびきや頭痛が悪化する

このような症状に心当たりがある方は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみることをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群は、症状だけでは診断することができません。いびき、無呼吸、朝の頭痛、夜間頻尿、生活習慣、体重の変化、既往歴などを確認した上で、睡眠中の呼吸状態を調べる検査を行います。

検査には、ご自宅で行う簡易検査や精密検査があります。鼻に呼吸を測るセンサー、指に酸素の状態を測るセンサーなどを装着し、睡眠中の呼吸の乱れや呼吸低下を確認します。必要に応じて、さらに精密な検査へ移行することもあります。

朝の頭痛はよくある症状ですが、実は睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合もあるのです。特にいびきや日中の眠気を伴う場合は、一度睡眠の状態を確認しましょう。

まとめ

小児の頭痛は、片頭痛、肩こり、飲酒、脱水、ストレスなど、様々な原因で起こります。そのため、朝の頭痛があるというだけでは、睡眠時無呼吸症候群が原因であると断定することはできません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、朝の頭痛が比較的多く見られることがわかっています。

・睡眠中の無呼吸
・日中の眠気
・大きないびき

朝起きた時の頭痛に加えて、上記の症状がある方は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみることをお勧めします。