CPAP治療の費用はいくら?保険適用の条件と毎月の自己負担について

検査・CPAP治療の費用の目安

当院の検査・CPAP治療は、保険診療の条件を満たす場合に健康保険が適用されます。まずは費用と通院の目安をご確認ください。

健康保険・3割負担の場合の目安
検査・治療自己負担の目安含まれる費用・補足
自宅で行う簡易検査4,000円程度初診料などを含む目安です。
自宅で行う精密検査(PSG)8,000円程度必要な方に行います。診察・追加検査の内容により総額が変わります。
CPAP治療月5,000〜6,000円程度装置のレンタル・治療の管理・定期診察を含む目安です。
マウスピース(紹介先の歯科で作製)作製時 約1万円前後保険適用・3割負担の一般的な目安です。当院の検査・紹介状の費用は別です。詳しい費用と注意点

※診療内容や保険の負担割合により金額は前後します。別の病気の診療、追加検査や薬の処方などがある場合は、総額が変わります。

通院の目安:当院では、CPAP導入当初は月1回を目安に診察します。症状や使用状況が安定している方は、医師の判断で2か月に1回の受診も相談できます。受診間隔は状態に応じて個別に決めます。

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CPAPの保険適用条件(2026年6月改定後)

閉塞性睡眠時無呼吸症候群でCPAP治療を始める際は、検査結果と症状を合わせて医師が判断します。無呼吸低呼吸指数(AHI)は、1時間あたりに呼吸が止まる・浅くなる回数を示す指標です。

  • AHI15以上の場合:日中の強い眠気や起床時の頭痛などによって日常生活に支障があり、精密検査(PSG)で睡眠の分断や深い睡眠の減少が確認され、CPAPによって睡眠状態の改善が認められることが条件です。
  • AHI30以上の場合:日常生活に支障を来す自覚症状の条件を満たせば、上記のPSG所見の要件によらず対象になります。簡易検査の結果から導入を検討できる場合があります。

数値だけで自動的に保険適用が決まるわけではありません。検査方法や結果、症状によっては追加の精密検査が必要です。適用の可否や治療方法は診察時にご説明します。

補足:2026年6月の改定前との違い

AHIの基準は、基本の条件が20以上から15以上へ、PSG所見の要件によらない条件が40以上から30以上へ見直されました。いずれも数値以外の症状などの要件があります。

出典:厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項」C107-2(2026年度、2026年7月30日訂正後)。2026年9月30日確認。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群の種類

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に喉の奥が塞がることにより、呼吸が浅くなったり止まったりを繰り返す病気です。大きく分けて、喉が物理的に狭くなって起こる「閉塞性」と、脳からの呼吸の指令がうまく届かない「中枢性」の2種類があります。

患者さんの数として圧倒的に多いのは閉塞性です。呼吸が止まったり浅くなったりすることで、体は酸素が不足した状態になり、その結果、脳は起きた状態(覚醒状態)になります。そのため、本人は睡眠時間が足りているつもりでも、実際には睡眠の質が悪いということが起きるのです。

睡眠の質が悪いと、以下のような症状が起こります。

  1. 日中の強い眠気
  2. 起床時の頭痛
  3. 集中力の低下

2019年公表の研究では、日本の30〜69歳で、中等症以上に相当する閉塞性睡眠時無呼吸(AHI15以上)がある人は約943万人と推計されています。これは研究による推計であり、現在診断・治療されている人数ではありません。
出典:Benjafield AV ほか、Lancet Respiratory Medicine、2019年、Table 3。

日本人は欧米人に比べて肥満度は低いですが、顎が小さいなどの構造上の問題から、睡眠時無呼吸を発生しやすいことが知られています。そのため、肥満でないからといって、必ずしも睡眠時無呼吸症候群ではないとは限りません。

重症度は、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数を示す「無呼吸低呼吸指数(AHI)」によって分類されます。

  1. 軽症:5以上 15未満
  2. 中等症:15以上 30未満
  3. 重症:30以上

朝の頭痛、日中の眠気を放置すると?

睡眠時無呼吸症候群を放置すると

睡眠の質が悪いから「眠気ぐらい大丈夫」と考えてしまいがちですが、睡眠時無呼吸症候群を発症している場合、全身に様々な合併症を引き起こします。

最も多い合併症は高血圧です。睡眠時無呼吸症候群を抱えている患者さんの約半分以上が、高血圧を合併しているとされています。

特筆すべきは、高血圧に対する降圧薬を使ってもなかなか血圧が下がらない「治療抵抗性高血圧症」になっているケースも多い点です。これは、夜中に何度も酸素濃度が低い状態になったり、脳が覚醒状態になって目が覚めてしまったりすることで、交感神経が過剰に働いてしまうことが原因です。

その結果、体の中で血圧が上がりやすい状態が出来上がってしまいます。

睡眠時無呼吸症候群は、糖尿病や心血管疾患などとも関連しています。ただし、これらの病気には複数の要因が関わり、睡眠時無呼吸だけが原因ではありません。

睡眠の質が悪いことで、血糖を下げるインスリンの効果が悪くなったり、心臓に負担がかかることによって脈が通常通り打てない不整脈を引き起こしたりするためです。

だからこそ内科では、単にいびきを治すということだけではなく、生活習慣病や血管疾患を治療・予防するという観点からも、睡眠時無呼吸症候群の検査と治療を重視しています。

さらに日中の強い眠気によって、労働災害や交通事故を起こしやすいことも分かっています。
ご自身では「少し眠いだけ」と感じていても、判断力や反応速度が低下し、重大な事故につながるおそれがあります。強い眠気があるときは運転を控え、早めにご相談ください。
ご自身や周りの方のためにも、眠い状態を放置せず、睡眠時無呼吸症候群があるかないかを一度チェックすることはとても大切です。

2005年の観察研究では、重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を治療していない男性で、心血管イベントが多いことが報告されました。CPAP治療群では発生が少ないという関連が見られましたが、観察研究のため、CPAPによる予防効果をこの研究だけで断定することはできません。
出典:Marin JM ほか、Lancet. 2005;365:1046–1053。

また、アメリカ心臓協会の声明では、16個の研究を統合して解析した結果によると、重症の睡眠時無呼吸(すなわちAHIが30以上)の方は、全死亡および心血管死亡の増加と関わりがあることが報告されています。(Yeghiazarians Y, et al. Obstructive Sleep Apnea and Cardiovascular Disease: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. 2021;144(3):e56-e67.)

CPAP(シーパップ)は、鼻や口に装着したマスクから空気の圧力をかけて、持続的に空気を送り込む装置です。この空気圧によって、睡眠中に塞がりやすい気道を内側から押し広げ、無呼吸や低呼吸による低酸素状態を防ぎます。

CPAPは、装着中の無呼吸・低呼吸を減らし、日中の眠気や睡眠の質の改善が期待できる治療です。効果の感じ方や改善までの期間には個人差があり、使用データと症状を確認しながら調整します。

ただし、覚えておいていただきたい点がいくつかあります。

  1. 治療の目的
    (a) CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群そのものを根本的に治すわけではありません。
    (b) あくまで装置を使うことで、その一晩の睡眠の質を改善する治療です。
  2. 継続の重要性
    (a) 普段から治療を行っている方でも、装置を使わずに寝た日は効果が元に戻ってしまいます。
    (b) 使わないことで状態が悪化することもあるため、毎日継続することがとても大切です。

保険診療でのCPAP治療では装置をレンタルするため、ご自身で高額な機器を購入する必要はありません。故障や不具合がある場合は、当院(診療時間内)または機器の案内書に記載された提供会社の窓口へご連絡ください。状況を確認し、必要に応じて修理・交換を手配します。対応時期は故障の内容や受付時間などによって異なります。

検査の流れ

睡眠時無呼吸症候群の検査の流れ

CPAPを開始するかどうかは、まず検査で睡眠時無呼吸症候群があるかないか、および重症度を判断する必要があります。

検査は2つあります。この検査は、2つともご自宅で一晩行っていただく検査になります。

1つ目は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査です。

鼻や指にセンサーをつけて一晩寝ていただき、おおよその無呼吸の回数や血液中の酸素の状態を確認します。つける部品も少ないため、最初のスクリーニング検査として行われます。

2つ目に精密検査、睡眠ポリグラフ(PSG)検査です。

脳波、心電図、呼吸、体の動き、酸素飽和濃度などを総合的に計測することによって、睡眠の状態をより詳しく見る検査になります。

従来は入院して行うことが多かったですが、現在は外来で検査機器を貸し出し、ご自宅で受けていただくことが可能です。

CPAPの保険適用は、検査結果だけでなく自覚症状なども合わせて判断します。現行の保険適用条件はこちらをご覧ください。

CPAPの月額費用に含まれるもの

皆さんが最も気になっている、実際にかかる費用についてお話しします。

CPAPは長期的に継続する治療ですので、毎月いくらかかるかというのは非常に大切な判断材料になります。CPAP治療にかかる費用は、主に次の保険点数で構成されています。

  1. 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算・在宅持続陽圧呼吸療法材料加算
  2. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料

これらに加えて、毎月の再診料(診察料)などが加算されます。これらを合計し合わせたものが、患者さんに支払っていただく金額になります。

具体的には、診察料も含めた1ヶ月の総額は以下の通りです。
(a) 3割負担の方:月5,000〜6,000円程度
(b) 1割負担の方:月2,000円程度
※診療内容によって前後します。

保険診療では装置をレンタルするため、ご自身で装置を購入する必要はありません。費用は月額の目安です。受診間隔を延ばす場合の支払いについては、診察時にご確認ください。

通院頻度は状態に合わせて相談できます

当院では、CPAP導入当初は月1回を目安に診察します。症状や使用状況が安定している方は、医師の判断で2か月に1回の受診も相談できます。受診間隔は状態に応じて個別に決めます。

定期診察では、治療の効果と使いにくさを確認し、必要に応じて調整します。

受診の際には、医師が以下のデータを確認します:

  1. 使用している時間
  2. AHI(無呼吸低呼吸指数)
  3. 無呼吸の状態などが改善されているか

マスクの違和感、空気漏れ、鼻や口の乾燥など、不安なことや使いにくい点があればご相談ください。

当院でのCPAP導入・継続管理の流れはこちらをご覧ください。

CPAP以外の治療法と費用

睡眠時無呼吸症候群の治療は、重症の方にはCPAP(シーパップ)治療をお勧めしますが、軽症の方にはCPAPではなく、別の治療法をご提案しています。

軽症や中等症で自覚症状がある場合は、マウスピースをお勧めすることがあります。これは下の顎を少し前に出すような状態で寝ていただくことで、気道を確保する治療法です。

マウスピースの費用(保険診療)

保険適用・3割負担の場合、作製時の自己負担は約1万円前後が一般的な目安です。CPAPの月額費用とは異なり、装置を作製する際の費用の目安です。

当院では検査と適応の判断を行い、作製は紹介先の歯科医院で行います。この金額は当院や紹介先の確定料金ではありません。装置の種類、歯科の診察・検査・型取り・装着・調整の内容により総額は変わります。作製後の定期診察・調整、修理・再作製などには別途費用がかかる場合があります。

当院で行う睡眠検査・診察・紹介状の費用は、上記の歯科での作製費用に含まれません。保険適用の可否、見積もりに含まれる内容、実際の自己負担額は、作製前に紹介先の歯科医院でご確認ください。

参考:国立病院機構 京都医療センター「睡眠時無呼吸症候群」の口腔内装置治療の費用案内(3割負担で約1万円との案内。2026年10月6日確認)

このマウスピースの作製については、以下の手順で進めます:

  1. まず、睡眠時無呼吸症候群の検査を行います。
  2. 検査結果と症状を確認し、マウスピース治療が適していると判断した場合は、当クリニックから歯科医院への診療情報提供書(紹介状)を作成します。
  3. 紹介先の歯科医院で歯や顎の状態を確認し、装置の作製・調整が可能かを判断します。紹介状があっても、すべての方が作製や保険適用の対象になるわけではありません。保険適用の可否や自己負担額は、紹介先の歯科医院でもご確認ください。

マウスピースは持ち運びもしやすく電源も不要ですが、重症例ではCPAPほどの効果は期待できないという点は、あらかじめ承知しておいてください。

また、扁桃が大きい、鼻の構造的な問題がある場合には、手術というのも選択肢の一つになります。

すべての患者さんにまずやっていただきたいことは、禁酒、節酒、減量などの生活習慣の改善です。特に肥満を伴っている睡眠時無呼吸症候群の方では、減量とCPAPを併用することで、CPAP単体よりも大きな血圧改善が得られるということが分かっています。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、症状と検査結果から治療方針を検討します。費用や通院の負担も含め、ご自身に合った続け方を相談しましょう。

日中の強い眠気やいびきを放置しておくと、生活習慣病、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まるだけでなく、交通事故を起こす危険性も増してしまいます。

CPAP治療の費用は、保険診療・3割負担の場合、月5,000〜6,000円程度が目安です。装置のレンタル・治療の管理・定期診察を含み、診療内容によって前後します。

CPAPは睡眠中に継続して使うことが大切です。無呼吸や眠気の改善、血圧の低下が期待されますが、効果は使用状況や個人の状態によって異なり、使用時間と単純に比例するとは限りません。
また、心筋梗塞・脳卒中などの予防効果は、眠気や無呼吸の改善とは分けて考える必要があります。心血管疾患を持つ患者さんを対象としたSAVE試験では、CPAP追加による心血管イベントの有意な減少は認められませんでした。すべての方に予防効果を保証するものではなく、持病の治療や生活習慣の管理も続けます。
出典:McEvoy RD ほか、SAVE試験、NEJM 2016。

  1. 自分は保険の対象になるのか
  2. 費用は具体的にどれくらいかかるのか
  3. マウスピースとどちらがいいのか

このような小さな疑問でも構いませんので、まずは当院にご相談ください。

当院は三鷹、調布、狛江、世田谷エリアからのアクセスも良好で、非常に多くの患者様にご来院いただいております。気になった方は、ぜひ一度お立ち寄りください。