いびきの原因・対策・治療を医師が解説!睡眠時無呼吸症候群との関係も


調布市・つつじヶ丘周辺でいびきにお悩みの方へ
・家族から「いびきがうるさい」と言われた
・自分のいびきで起きてしまったことがある
こんなことを言われた方・体験をした方はいらっしゃいませんか?「いびきは単なる寝癖や、生まれ持ったもの」などと思っていませんか?実は日本人の約5人に1人がいびきに悩んでいるとされていて、その原因には重大な病気が潜んでいるケースもあるんです。
いびきは医学的に言うと、睡眠中に気道の軟部組織が振動(震える)ことで発生する症状です。これを長期間何も治療せずにいると、睡眠時無呼吸症候群に発展し、その結果、心臓病、脳卒中、高血圧などの病気を引き起こしやすくなる可能性があります。また、睡眠の質が悪いことで、日中の眠気やだるさが発生し、交通事故のリスクも高まります。
この記事では、医師の立場からなぜ気道が狭くなるのかという原因、今日からできる対策、さらにクリニックで受けられる最新の治療法まで解説をいたします。
いびきはなぜ起こるのか、原因を解説
なぜ人は睡眠中にいびき、すなわち音を出すのでしょうか。この原因として、上気道、すなわち喉の構造の問題があります。喉は鼻から気管にかけての空気の通り道です。この通り道(気道)は柔らかい組織、軟口蓋、口蓋垂、舌根、咽頭壁といった組織で囲まれています。つまりこの通路というのは、硬い組織ではなく柔らかい組織に囲まれているんです。日中起きているときは喉の周りの筋肉が張り詰めている、緊張しているため、これらの柔らかい組織が固くなり、しっかりと通路を広く保てていたのです。しかし、睡眠中には、喉の周りの筋肉がリラックスした状態になるため、喉の通路の周りの筋肉がゆるんでしまいます。すると周りの組織が重力の影響を受けるため、口蓋垂が喉の奥に沈み、軟口蓋も垂れ下がります。これによって通路が狭くなり、音(いびき)が出るという仕組みになっています。
いびきの原因
いびきをかく原因は何でしょうか。いびき、すなわち気道が狭くなる原因は、もともとの体質的なものや、生活習慣によって発生するものなど、さまざまな理由があります。ここでは5つの代表的な原因をご説明します。
①お酒、睡眠薬
飲酒をした日にいびきをよくかく、いつもよりも大きないびきをかくという経験や、ご家族にご指摘をされた方もいるのではないでしょうか。アルコールは脳に作用し、全身の筋肉を緩める作用があります。そのため、アルコールを摂取すると、摂取していないときに比べて喉の周りの筋肉の緊張が低下し、喉の気道が狭くなります。普段はいびきをかかない人でも、舌が落ち込みやすくなり、いびきを発生することがあります。
また、睡眠薬も同様に喉の周りの筋肉を緩める作用があるため、いびきを発生させやすくなります。寝つきが悪いから薬を服用するという方は、かえって睡眠の質を下げていることにより、いびきを発生させ、日中眠くなる。すなわち昼夜逆転になりやすい可能性があります。
②慢性的な鼻づまり
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで物理的に鼻の通りが悪いと鼻呼吸ができずに、口で呼吸する口呼吸になります。口を開くと下の顎が下がり、それに伴い舌の付け根が喉の奥へ落ち込みやすくなります。これによって気道が狭くなり、いびきが発生します。
また、口で行う呼吸は、口腔内を乾燥させ、乾燥した喉の粘膜が炎症を引き起こします。その結果、炎症によって、粘膜が腫脹し気道を細くするという悪いサイクルになってしまいます。
鼻の通りを良くする、すなわち鼻炎の治療薬を内服することで、いびきが改善するケースもあります。
③年齢による筋力の低下
実は年齢を重ねるといびきが発生しやすくなるんです。年齢とともに全身の筋肉は衰えてきます。その全身とは喉や舌を支える筋肉も例外ではありません。例えば、舌を支える筋肉の筋力が低下すると、寝ている間に気道を広げておく力も弱まってしまい、組織が落ち込んで気道が狭くなります。
さらに年齢を重ねると筋力が落ち込むだけではなく、粘膜の弾力性が失われるため、軟部組織が落ち込みやすく、より振動しやすくなるため、いびきの音が大きくなる傾向があります。
④肥満
肥満によっていびきをかくというのは、皆さんイメージがつきやすいかもしれません。肥満になると、お腹の脂肪だけではなく、首周りや喉の内側にも脂肪がつきます。首の周りに脂肪がつくと、外側から気道が圧迫されます。さらに喉の内側にも脂肪がつくため、外側と内側それぞれから気道を狭くさせてしまうんです。この状態で横向きになると、脂肪が気道を重力によって圧迫するため、気道が潰され、いびきを発生させます。
BMIが25以上の人には、脂肪によって気道が圧迫されやすく、いびきを発生している可能性があるので、注意が必要です。
⑤たばこ
実はタバコによってもいびきを発生させる可能性があるんです。タバコには有害物質が含まれており、喉や鼻の粘膜を慢性的に炎症を発生させています。炎症によって粘膜がむくむと気道が狭くなり、空気抵抗を増すためいびきを発生させます。ご家族がタバコを吸っている場合でも、喉に炎症を起こしている可能性もあるので注意が必要です。
危険ないびきのサイン!この症状がある方はご相談を
こんないびきがある方は睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
・集中力が続かなくてイライラしやすくなった
・朝、口の中や喉が異常に渇く
・睡眠時間は取っているのに日中眠気が止まらない
・夜中に何度もトイレに起きる
・部屋の外まで聞こえるような大きないびきをかいていると指摘されたことがある
・いびきが不規則
・パートナーや家族から、寝ているときに息が止まっていると言われたことがある
・熟睡感がない
3つ以上当てはまる場合は要注意です。すぐを受診してください。
いびきを放置するとどうなる?
いびきを放置すると睡眠時無呼吸症候群を発症する確率が上がります。睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている最中に気道が狭くなり、呼吸が止まる無呼吸の状態や、呼吸が浅くなる低呼吸が繰り返されるものです。診断基準としては、1時間あたりに5回以上無呼吸や低呼吸がある場合に診断がつきます。日本では約900万人以上がいると言われています。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、
・高血圧
・脳卒中
・心筋梗塞
を引き起こす確率が上がります。
さらには、ストレスホルモンが増加し、インスリンの働きが悪くなるため、糖尿病が悪化することもわかっています。
また、睡眠の質がよくないため、日中の眠気がでることが多く、睡眠時無呼吸症候群がある方は、交通事故を起こしやすくなることも分かっています。そのため、タクシー会社では運転手さんに必ず睡眠時無呼吸の検査をするように義務化している会社も多く、睡眠時無呼吸症候群が見つかった場合は治療をしないと勤務ができないように厳格化してます。
今日からできるいびき対策・治し方
いびきに対してご自身でできることはいくつかあります。
①減量・ダイエット
体重を10%落とすだけで、無呼吸や低呼吸の回数が減ることがわかっています。運動習慣がない方は、ぜひ運動をして、体重を落とすように心がけてみましょう。
②飲酒を控える
お酒を飲むと喉の周りの筋肉が緩むことが多くなっており、お酒をなるべく控えましょう。お酒を飲む時も、寝る4時間前までにお酒をやめて、寝る準備をすることをお勧めします。
③鼻づまりを治す
鼻炎がある方は、抗ヒスタミン薬などの薬を使って鼻の通りをよくしましょう。耳鼻科や内科に行くとお薬を処方してもらえます。
禁煙をしましょう。タバコは喉の炎症を起こし、気道を狭くさせます。タバコを吸っている方は今からでも遅くはありません。禁煙を行い、喉の炎症を落ち着かせ、気道を確保しましょう。
④横向きで寝る
これが一番、最も手軽な方法です。重力によって下を落ち込むことで気道が狭くなります。そのため、横向きに寝る体の下に枕や布団を置き、横向きで寝ることだけでいびきの症状が改善することがあります。
枕の高さを変えてみましょう。
枕の高さを調整し首の骨、頸椎が自然なカーブを描く高さの枕を選んでみてください枕の高さを調整するだけでもいびきが変わることはあります
クリニックで行ういびきの治療
①生活習慣改善指導
軽度の場合は、減塩、禁煙、禁酒、減量の指導などを行います。
②マウスピース治療
これも軽症の方が対象です。下の顎を前に出すことで喉の空間を広げ、気道の通りを良くします。睡眠時無呼吸症候群の診断がついた方には歯医者さんに紹介し、マウスピースを作成してもらいます。
③C-PAP治療
中程度もしくは重症の方が対象になります。AHIの呼吸の回数が1時間あたり20回以上の方が対象です。マスクから空気を送り込み、夜間の睡眠中でも気道を確保します。一番効果的な治療法です。
CPAPは寝ている間に圧力をかけた空気を気道内に送り込むことで、狭くなっている気道を広くします。CPAP治療を始めた数日だっただけで、朝の目覚めがすっきりする、頭痛が消えた、昼間の眠さが消えたという実感を受ける方も多くあります。比較的すぐに効果を実感していただけます。月に1回の受診が必要ですが、健康保険が適用され、保険診療で治療が可能です。
④外科的な手術
扁桃腺が大きい方や、口蓋垂が大きいものを切除する手術をすることがあります。
つつじヶ丘駅前内科クリニックでできる検査・治療
いびきは、何科を受診すればよいのかということをよく聞かれます。
内科は睡眠時呼吸症候群の診断、COPDの管理、生活習慣病の管理を含めた全般的な診察が可能です。
耳鼻科は、鼻詰まりや喉の形態異常など、手術などが必要な場合に受診します。
いびきが気になった方は、まずは通いやすい内科にご相談ください。
①問診・診察
いびきの状況、日中の眠気、睡眠の状態などをESSという質問を用いてお伺いします。また、既往歴や生活習慣などもお伺いします。
②簡易睡眠ポリグラフ検査
まずは簡易的な検査を行うために、クリニックから検査機器をお貸しします。ご自宅で一晩、鼻の下にセンサー、指に酸素飽和濃度計をつけて一晩寝ていただきます。これによって、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を測定します。
③終夜睡眠ポリグラフ検査
先ほどの簡易検査よりもより詳しい精密検査になります。筋電極や脳波などを一緒に測定します。昔は一晩入院で検査を行っておりましたが、現在はご自宅で検査をすることが可能です。
AHIの目安は、5未満が正常、5から15未満が軽症、15から30未満が中等症、30以上が重症です。
京王線つつじヶ丘駅から徒歩1分の調布市・つつじヶ丘駅前内科クリニックでは、簡易検査、精密検査を行っており、診断から治療まで全て網羅的に治療することが可能です。また、生活習慣管理の治療も行っていますので、合わせて網羅的に診察することが可能です。
当院では月50件以上のいびき・睡眠時無呼吸の診療実績があります。
また当院では、医師・看護師がCPAP療法士を取得しており、より専門的に診察・治療を行っております。


【記事を書いた人】
小出高彰
つつじヶ丘駅前内科クリニック 院長
CPAP療法士
医学博士・内科認定医・腎臓内科専門医・透析専門医
