甲状腺の病気
甲状腺は首の前に存在する蝶々のような形をした臓器です。この甲状腺は、体全体の代謝に関わる大事なホルモンを分泌しています。病気によっては、この甲状腺からでるホルモンが過剰になっていたり、分泌量が少なくなっている場合があります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺の機能が亢進する、すなわち甲状腺から出るホルモンが過剰になっている状態です。
病名としては、バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎などがあります。
症状として、以下のようなものがあります。
- 体重が減少
- 動悸がする
- 多汗(汗をかく量が多い)
- 食欲が増えた
- 眼球が突出している
- 体温が上がった
甲状腺機能亢進症の治療
①薬物治療
甲状腺から出るホルモンが過剰な状態を抑えるために、プロピルチオウラシルやチアマゾールを内服していただきます。この内服によって、ホルモンの過剰な状態が抑えられ、ホルモンが正常化します。
②放射線治療
放射線によって、甲状腺の組織を破壊することにより、甲状腺の機能を抑制します。
③手術
手術によって、甲状腺の一部もしくは全部を摘出することで、ホルモンの過剰な状態を抑制します。手術を行う場合は、他の治療法が有効でなかった場合が想定されます。
甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下している、すなわち甲状腺から出るホルモンが少ない状態です。
病名としは、橋本病、中枢性甲状腺機能低下症などがあります。
症状としては、以下のようなものがあります
- 体重が増加する
- 浮腫(足がむくむ)
- 寒がりになった
- 脈が遅い
- 汗が少ない
- 気力がない
甲状腺機能低下症の治療
①内服治療
甲状腺の機能が低下しているため、甲状腺ホルモンの補充をチラージン等を用いて行います。