動悸・脈の乱れ・不整脈が気になる方へ|調布市の循環器内科

動悸とは、ふだんは意識しない心臓の拍動を、強く・速く・不規則に感じる状態のことです。「ドキドキが止まらない」「脈が飛ぶ」「胸がドクンとする」といった感じ方には個人差があります。動悸そのものは、緊張・寝不足・カフェインの摂りすぎ・脱水・発熱・貧血・甲状腺の病気などでも起こり、必ずしも心臓病を意味するわけではありません。一方で、その裏に不整脈が隠れていることもあり、なかでも注意が必要なのが「心房細動」です。

心房細動とは

心房細動は、心臓の上の部屋(心房)が細かく不規則に震え、規則正しく収縮できなくなる不整脈です。脈がバラバラに乱れ、動悸・息切れ・倦怠感などをきたしますが、自覚症状がまったくない方も少なくなく、健診の心電図で偶然見つかることもあります。加齢とともに増える不整脈で、生涯のうちに心房細動を発症するリスクは、成人のおよそ4人に1人(約25%)と推定されています(TRANSFORM/複数の疫学研究)。高血圧・糖尿病・肥満・飲酒・喫煙・睡眠時無呼吸などが発症に関わります。

心房細動でもっとも注意すべき「脳梗塞」

心房細動があると、震えて動きの悪くなった心房の中で血液がよどみ、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。この血栓が血流に乗って脳の血管に飛ぶと、脳梗塞を引き起こします。心房細動のある方は、ない方に比べて脳梗塞(虚血性脳卒中)のリスクがおよそ5倍高く、脳梗塞全体の約5件に1件が心房細動と関連しているとされます(2024 ESC/EACTS 心房細動ガイドライン)。しかも心房細動による脳梗塞は、飛ぶ血栓が大きく、重症化しやすい傾向があります。

重要なのは、この脳梗塞は予防できるという点です。適切な抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)による治療で、脳梗塞のリスクを約60〜70%減らせることが確立しています。近年は、従来のワルファリンに代わり、食事制限や頻回の採血が少なくて済む直接経口抗凝固薬(DOAC)が第一選択として広く使われています(2024 ESC 心房細動ガイドライン)。治療するかどうかは、年齢・高血圧・糖尿病・心不全・脳卒中の既往などから脳梗塞リスクを評価して判断します。

こんな動悸は受診の目安です

  • 動悸を繰り返す、長く続く、だんだん頻度が増えている
  • 脈がバラバラに乱れる、飛ぶ感じが続く
  • 動悸に加えて、胸痛・強い息切れ・めまい・失神しそうな感じがある
  • 健康診断で「不整脈」「心房細動」「心電図異常」を指摘された
  • 高血圧・糖尿病がある、家族に心房細動や脳梗塞の方がいる

次の場合は緊急対応が必要です。動悸とともに意識が遠のく・実際に失神した・強い胸痛・激しい息苦しさがある場合は、危険な不整脈の可能性があります。ためらわず救急車(119番)を要請してください。

当院での検査

不整脈は「出たり出なかったり」するため、診断には症状が出ているときの心電図をとらえることが何より大切です。当院では次の検査で確認します。

  • 12誘導心電図:受診時に脈の乱れが出ていれば、その場で診断できます。
  • ホルター心電図(24時間心電図):小型の記録器を装着して1日中の心電図を記録し、通常の心電図では捉えにくい発作性の不整脈や、日常動作中の脈の乱れを確認します。装着したまま普段どおりの生活(入浴を除く)が可能です。
  • 心臓超音波検査(心エコー):心臓の動きや弁の状態、心房の大きさなど、不整脈の背景にある心臓病の有無を確認します。
  • 血液検査:貧血や甲状腺機能の異常など、動悸の原因となる心臓以外の要因も調べます。

検査の結果、カテーテルアブレーション(不整脈の原因部位を焼灼して根治をめざす治療)などの専門的治療が望ましいと判断した場合は、連携する専門医療機関へご紹介します。

火曜は循環器専門医が動悸・不整脈のご相談に対応します

つつじヶ丘駅前内科クリニックでは、火曜日に循環器専門医が外来を担当しています。京王線つつじヶ丘駅から徒歩1分。調布・つつじヶ丘・仙川・柴崎・国領・狛江方面で動悸・脈の乱れ・不整脈が気になる方は、ご相談ください。ご予約はLINE・WEBから承っています。

よくある質問

Q. 症状が出ていないときに受診しても意味はありますか?
A. あります。ホルター心電図で1日を通して記録すれば、受診時に出ていない発作性の不整脈を捉えられることがあります。健診結果や、症状が出たときの状況(いつ・どのくらい続いたか)をメモしてお持ちいただくと診断の助けになります。

Q. スマートウォッチで不整脈の通知が出ました。受診すべきですか?
A. スマートウォッチの心電図・脈拍機能は心房細動の早期発見のきっかけになり得ますが、確定診断には医療機関での心電図が必要です。通知が出た方、脈の乱れを繰り返す方は一度ご相談ください。

参考文献・出典

  • Van Gelder IC, et al. 2024 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation developed in collaboration with EACTS. Eur Heart J. 2024;45(36):3314–3414.
  • Spotlight on the 2024 ESC/EACTS management of atrial fibrillation guidelines: 10 novel key aspects. Europace. 2024;26(12):euae298.(脳梗塞リスク約5倍、脳卒中の約1/5がAF関連)
  • Wolf PA, Abbott RD, Kannel WB. Atrial fibrillation as an independent risk factor for stroke: the Framingham Study. Stroke. 1991;22(8):983–988.
  • 抗凝固療法による脳梗塞リスク約60〜70%減:主要ランダム化試験のメタ解析および 2023 ACC/AHA/ACCP/HRS AF Guideline(Circulation. 2024;149:e1–e156)