いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

いびきの種類とは 症状

一緒に住んでいるご家族から「いびきをかいていたよ」と言われたことはありませんか。
また、自分のいびきで目が覚めてしまった経験はありませんか。

いびきは、多かれ少なかれ誰にでも起こることがあります。
しかし、いびきの中には睡眠時無呼吸症候群が関係しているものもあります。

一方で、すべてのいびきが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。
今回は、いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係についてわかりやすく解説します。

いびきとは?

いびきとは、寝ている間に空気の通り道である気道が一部狭くなり、空気の流れが悪くなることで起こる音です。

いびきは、主に喉や鼻の周囲で発生します。
睡眠中に気道が狭くなると、息を吸うときに空気が通りにくくなり、喉の粘膜や軟口蓋などが振動して音が出ます。これがいびきです。

起きているときは筋肉にある程度の緊張があるため、気道は保たれやすい状態です。
しかし、睡眠中は筋肉がゆるむため、気道が狭くなりやすく、いびきが発生しやすくなります。

もともとあごが小さい方は、気道が狭くなりやすく、いびきをかきやすい傾向があります。
また、肥満により首や喉のまわりに脂肪がつくことでも気道が狭くなり、いびきが起こりやすくなります。
飲酒や睡眠薬の使用によって、喉の筋肉がゆるみやすくなり、いびきが悪化することもあります。

一時的ないびきであれば、大きな問題にならないこともあります。
しかし、毎日のように継続していびきをかく場合は注意が必要です。
そのいびきの背景に、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

いびきの種類

イビキとは

いびきは、原因によって大きく4つのタイプに分けられます。

① 単純性いびき

単純性いびきは、喉の軟口蓋や粘膜が振動することで発生する一般的ないびきです。
一時的なものであれば、すぐに病気と考える必要はない場合もあります。

原因としては、飲酒、疲労、風邪、鼻づまり、仰向けで寝ることなどがあります。
生活習慣の改善や寝る姿勢の工夫で軽くなることもあります。

ただし、いびきが年々強くなっている場合や、日中の眠気を伴う場合は注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群に進行している、またはすでに睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

② 鼻閉型のいびき

鼻閉型のいびきは、鼻炎や鼻づまりなどにより鼻の通りが悪くなり、口呼吸になりやすいことで起こるいびきです。

鼻から空気が通りにくくなると、口で呼吸することが増えます。
その結果、喉の気道が狭くなり、いびきが発生しやすくなります。

原因としては、花粉症などのアレルギー性鼻炎、鼻のポリープ、鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎などがあります。
これらが関係している場合、鼻の治療や必要に応じた耳鼻科的治療により、いびきが改善することがあります。

③ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびき

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に気道が狭くなったり、ふさがったりすることで、一時的に呼吸が止まります。
その後、呼吸が再開するときに大きないびきが出ることがあります。

このタイプのいびきでは、次のような特徴がみられることがあります。

・いびきが突然止まる
・かなり大きないびきをかく
・呼吸が止まった後に「ガッ」と大きな音とともに呼吸が再開する
・寝たはずなのに朝から頭が痛い
・日中に強い眠気がある

このようないびきがある場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、単なる音の問題ではありません。
睡眠中に低酸素状態が繰り返されることで、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血などの病気と関係することがあります。

④ 中枢性睡眠時無呼吸によるいびき

数は多くありませんが、脳や神経の働きの異常により、呼吸の指令がうまく出なくなることで起こる睡眠時無呼吸もあります。
これを中枢性睡眠時無呼吸といいます。

中枢性睡眠時無呼吸は、脳梗塞、脳出血、心不全などが関係することがあります。
一般的ないびきとは異なり、背景に別の病気が隠れている場合もあるため、医療機関での評価が必要です。

危険ないびきとは?

いびきの中でも、次のような特徴がある場合は注意が必要です。

・毎日のように続く習慣的ないびき
・隣の部屋まで聞こえるほど大きないびき
・いびきが途中で止まり、その後に大きないびきとともに呼吸が再開する
・寝ている間に息が止まっていると指摘されたことがある
・朝起きた時に喉が渇く
・朝起きた時に頭痛がある
・日中に集中力が続かない
・日中の眠気が強い

このような症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
特に、ご家族から「息が止まっている」と言われたことがある方は、早めに検査を受けることをおすすめします。

いびきの検査・治療法

いびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、主に以下のような検査が行われます。

簡易睡眠検査

簡易睡眠検査は、ご自宅で行える検査です。
小型の検査機器を装着し、一晩眠ることで、睡眠中の呼吸状態や酸素の低下を調べます。

主に測定する項目は、呼吸の状態、無呼吸や低呼吸の回数、血液中の酸素飽和度、心拍数などです。

簡易睡眠検査は、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査として行われます。
検査結果によっては、さらに詳しい精密検査が必要になることがあります。

精密検査(PSG検査)

PSG検査は、睡眠の状態をより詳しく調べる検査です。
以前は入院して行うことが一般的でしたが、現在は医療機関によっては自宅で検査できる場合もあります。

PSG検査では、脳波、呼吸、血液中の酸素飽和度、いびきの状態、心電図、体の動きなどを詳しく測定します。
この検査により、睡眠の質、無呼吸のタイプ、無呼吸の重症度をより正確に把握することができます。

いびきの改善・治療法

いびきが気になる場合、まずは生活習慣の見直しが大切です。

具体的には、減量、禁酒、禁煙、寝る姿勢の工夫などがあります。
特に仰向けでいびきが悪化する方は、横向きで寝るように工夫したり、枕の高さを調整したりすることで改善することがあります。

ただし、生活習慣を見直してもいびきが改善しない場合や、無呼吸を指摘されている場合は、医療機関で検査を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、重症度や原因に応じて、マウスピース治療、CPAP療法、鼻や喉の治療、生活習慣の改善などが検討されます。

いびきが気になる方は一度ご相談ください

いびきは、単なる音の問題と思われがちです。
しかし、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合、日中の眠気、集中力低下、生活習慣病、心臓や脳血管の病気と関係することがあります。

ご家族からいびきや無呼吸を指摘された方、日中の眠気が強い方、朝起きても疲れが取れない方は、一度検査を受けてみることをおすすめします。