舌下免疫療法

アレルギー鼻炎に対して、内服や点鼻による治療を受けている方が多いですが、これは症状を一時的に抑える治療法であり、完治を目指すものではありません。そのため、アレルギーの反応を抑える根本的な治療が研究され、2014年から舌下免疫療法が治療法として確立されました。

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因物質を舌の下に1分間保持することにより、アレルギーに対して、徐々に体を慣れさせることで、アレルギー反応を減少させることができます。

舌下免疫療法の利点

  • 自宅で治療ができる
  • 注射をするわけではないので、痛みや不快感が少ない
  • 長期的な効果が見込める(治療終了後も効果が持続します)

治療効果がしっかりでるまで、3年~5年と長期にかかる治療法になりますが、症状が強い方にはおすすめの治療法です。

対象者

舌下免疫療法は、スギアレルギー、ダニアレルギーを持つ方であれば、治療が可能です。
(※舌下免疫療法の薬剤は、スギとダニのみしか、現在作られておりません)

副作用

副作用としては、アレルギー症状(鼻水、口腔内のかゆみ)、下痢などの消化器症状などがあります。重篤な副作用はまれですが、アナフィラキシーのリスクがあるため、初回は医療機関での投与を行います。

また舌下免疫療法治療中に、アレルギー症状が強いかたには、抗ヒスタミン剤の処方も行います。

舌下免疫療法の流れ

①初回受診

今までの症状や治療歴を確認し、スギやダニのアレルギーが疑われば、アレルギーの採血検査を行います。
(他院でのアレルギー採血結果をお持ちの場合は、採血は不要です)

②結果説明

アレルギー検査にて、スギとダニのアレルギーがあるかを確認します。舌下免疫療法のご希望がある場合は、治療の流れをご説明させていただき、ご希望があれば、舌下免疫療法を開始します。

③舌下免疫療法開始

治療開始をする際には、処方箋を発行させていただき、在庫がある薬局に薬を取りに行っていただきます。薬を受け取り次第、当院に戻ってきていただき、院内にて薬を内服していただき、重篤なアレルギー症状がないか30分間経過観察をさせていただきます。特に問題なく経過したことを確認しご帰宅いただきます。

④舌下免疫療法(2回目以降)

初回投与から1週間後に、来院していただき、初回よりも量が多い薬を処方させていただきます。以後は1ヶ月に一回の通院をしていただき、外来治療をおこなっていきます。