血圧を上げる食べ物5選|自分では減塩しているつもりの人ほど要注意
「そんなに濃い味は食べていないのに、健診で血圧を指摘された」——外来でよく聞くお悩みです。実は血圧を上げる食べ物は、しょっぱいと感じる食品だけではありません。パンやめん類、加工肉のように「あまり塩気を感じないのに塩分が多い食品」や、甘い飲み物のように「塩とは無関係に血圧を刺激する食品」もあります。
この記事では、血圧を上げる食べ物を「なぜ上がるのか」という仕組みから整理し、明日から選び直せる食べ方の工夫と、受診を考えたほうがよい目安までまとめました。読み終わるころには、「自分の食生活のどこを変えればいいか」がイメージできるはずです。
血圧を上げる食べ物:①カップラーメン【高塩分による血圧上昇】


なぜカップラーメンは血圧を上げるのでしょうか。
カップラーメン1食には、平均5~7gの食塩相当量が含まれています。
これは、日本高血圧学会が推奨する1日塩分摂取量6g未満を、たった1回の食事で超えてしまう量です。
他の食事で塩分を全く取らないなら良いですが、それは厳しいです。
塩(ナトリウム)は血液中の浸透圧を高め、血液中の水分量を増加させます。
その結果、心臓より多くの水分(血液)を押し出す必要がでてくるため、血圧(血管にかかる圧力)が上がります。
また、ナトリウム自体が血管壁の平滑筋を刺激し、血管収縮作用をもたらすこともわかっています。さらに、食塩摂取を6g/日以下に制限すると、収縮期血圧は平均して約4~5mmHg低下します。(J Hum Hypertens. 2009.)
つまり、普段から高塩分食品を毎日摂取していると、慢性的に高血圧状態をつくってしまいます。
● 特に注意すべきポイント
スープを飲み干すとさらに2〜3gの塩分追加になるため、絶対に控えましょう。
血圧を上げる食べ物:②エナジードリンク【カフェインと糖分による交感神経刺激】


エナジードリンクには、高濃度カフェイン(1缶80〜160mg)、高糖質(20〜30g以上)が含まれています。
カフェインは中枢神経刺激作用を持ち、交感神経を興奮させます。
これにより、心拍数が増加し、末梢血管が収縮し、一時的な血圧上昇を引き起こします。
研究でも、エナジードリンク摂取30分以内に、収縮期血圧が平均6.2mmHg、拡張期血圧が6.1mmHg上昇しました。(Adv Nutr. 2016 Sep 7;7(5):950–960.)
また、糖分の過剰摂取は、インスリン抵抗性の悪化と血管内皮障害を促進し、長期的な高血圧リスクも高めます。
カリウムが少ない食べ物
カリウムにはナトリウムを体の外に出す作用があります。カリウムが少ない食べ物は、血圧を下げる作用がすくないため、塩分が多い状態を体に作ってしまいます。
血圧を上げる食べ物:③ハム・ベーコン・ソーセージ(加工肉)


加工肉類は、保存性と味付けを目的に、多量の塩分、無機リン添加物(リン酸塩) を含んでいます。
この高塩分により、血圧が直接上昇します。
さらにリンの過剰摂取は、血中リン濃度の上昇→血管壁の石灰化→動脈硬化進行へとつながり、間接的に高血圧リスクを高めます。
この研究では、リン摂取が多い人ほど心血管イベントと全死亡率が有意に高いことが示されています。(Am J Clin Nutr. 2013 Nov 13;99(2):320–327.)また、別の疫学研究では、「加工肉摂取が多い群は、高血圧リスクが24%増加」していました。(Circulation. 2010 Jun 1;121(21):2271-83.)
● 特に注意すべきポイント
朝食にベーコンエッグ、ホットドッグ、コンビニサンドイッチをつい食べたくなりますが注意してください。
また、「無添加」や「減塩」と書かれていても、食べる量や回数が多いと危険になりますので、食べ過ぎ注意です。
血圧を上げる食べ物:④スナック菓子


スナック菓子(例:ポテトチップス)は、ナトリウムが極端に多く、カリウムはほぼゼロ、という栄養です。
ナトリウムは血圧を上げる要因であり、カリウムはその対抗要素として働きます。
カリウムが不足すると、体内のナトリウムを排泄できず、塩分過剰状態が続くため、血圧が上昇します。
研究では、カリウム摂取量が増えると収縮期血圧が平均3.5mmHg、拡張期血圧が2mmHg低下しました。(BMJ. 2013 Apr 3:346:f1378.)つまり、カリウムの摂取量が不足すると、血圧を上げやすくなってしまいます。
● 特に注意すべきポイント
ポテトチップス1袋で、簡単に塩分3g以上をとってしまいます。1日の塩分摂取量は6g以下が目安のため、ポテトチップス1袋で一日の半分を摂取してしまいます。
体に良さそうな野菜チップスもぜひ塩分量はチェックしてみてください。
血圧を上げる食べ物:⑤アルコール


アルコールには初期には血管拡張作用もありますが、慢性的な過剰摂取では、交感神経緊張の持続と血管収縮が強くなります。さらにアルコール摂取をし続けると、睡眠障害、肝機能障害、内臓脂肪の増加も引き起こし、これは、高血圧になるリスク増加させます。
研究でも、アルコール摂取量を減らすことで、収縮期血圧が平均5.5mmHg、拡張期血圧が4mmHg低下することが示されています。(Lancet Public Health. 2017 Feb;2(2):e108-e120.)
つまり、飲酒を制限することは、血圧をコントロールすることにはとても大事です。
● 特に注意すべきポイント
毎日飲む習慣は、血圧を上げるリスクがとても高く、最低でも休肝日(お酒を飲まない日)を週2回以上は確保するようにしましょう。
節度ある一日の飲酒量は、男性は日本酒1合まで、女性は0.5合程度までです。
よく外来では、ビールは350mlを一缶までとお伝えしております。
節度ある飲酒以上は体に毒ですので覚えておいてください。
血圧を上げない食事のポイント
だしや香辛料を用いて、塩分の薄味に慣れましょう。
スープなどには塩分が多いため、具を食べて、スープを飲まないようにしましょう
加工食品よりも手作りの料理を食べましょう。
洋食よりも和食を選びましょう。
野菜、豆、海藻などの食事を意識してとりましょう
よくある質問
Q. 血圧を上げる食べ物を、いくつまでなら食べていいですか? A. 明確な個数の基準はありません。大切なのは1回の量ではなく、1日・1週間の合計と頻度です。毎日続く習慣を、まず見直すのがおすすめです。
Q. 減塩しょうゆに変えれば血圧は下がりますか? A. 1回あたりの塩分は減りますが、使う量や回数が増えると合計は変わりません。「かける」より「つける」、汁を残す、といった食べ方の工夫と合わせると効果的です。
Q. コーヒーも血圧を上げますか? A. カフェインで一時的に上がることはありますが、日常的に飲んでいる方では影響が小さいこともあります。エナジードリンクのように糖分やカフェインが特に多いものは、頻度に注意しましょう。
Q. 食事を気をつけているのに血圧が下がりません。 A. 食事以外(運動・体重・睡眠・飲酒・ストレス)や、腎臓・ホルモンなど別の原因が関わっていることもあります。家庭血圧の記録を持って一度ご相談ください。
こんなときは早めに受診を(受診の目安)
食事の見直しは大切ですが、次のような場合は自己判断で様子を見ず、医療機関にご相談ください。
- 家庭血圧が繰り返し高い(おおむね上が135以上、または下が85以上が続く)
- 上が180以上、または下が110以上といった高い数値が出た
- 強い頭痛、胸の痛み、息苦しさ、片側の手足のしびれ・ろれつが回らないなどを伴う(この場合はためらわず救急要請を)
- 健診で血圧に加えて、尿たんぱくや腎機能・血糖・脂質の異常も指摘された
数値だけで重症度は決まりませんが、症状を伴う急な高血圧は緊急性が高いことがあります。
医療機関では血圧の何を調べるのか
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高血圧の診察では、血圧の数字そのものだけでなく、「なぜ高いのか」「体に影響が出ていないか」を確認します。一般的には次のような評価を行います。
- 問診(症状、生活習慣、家族歴、服薬内容など)
- 血圧測定(診察室血圧に加え、家庭血圧の記録が重要です)
- 血液検査(腎機能、電解質、血糖、脂質など)
- 尿検査(尿たんぱく、尿の状態など)
- 心電図(心臓への負担の確認)
- 必要に応じて超音波検査
これらにより、生活習慣が主な原因なのか、腎臓やホルモンなど別の原因(二次性高血圧)が隠れていないか、合併症が始まっていないか、といった点を見きわめていきます。
つつじヶ丘駅前内科クリニックでできること


当院(調布市・つつじヶ丘駅前内科クリニック)は、内科・腎臓内科・アレルギー科のクリニックです。血圧が高めの方について、次のような対応が可能です。
- 血圧測定と家庭血圧の評価・記録のアドバイス
- 血液検査・尿検査による腎機能や合併症のチェック
- 心電図検査、必要に応じた超音波検査
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病の診療
- 健康診断結果を持参してのご相談
「健診で引っかかったが、どうすればいいかわからない」段階からのご相談も歓迎しています。結果用紙をお持ちいただくと、より具体的にお話しできます。
当院で対応できないこと
一方で、当院で実施していない検査・治療もあります。必要な場合は、無理に当院で抱え込まず、適切な医療機関をご紹介します。
- CT・MRIなどの画像検査(連携医療機関をご案内します)
- 入院が必要な精査・治療
- 二次性高血圧の一部の専門的な精密検査
- 緊急の処置が必要な状態(救急医療機関の受診が必要です)
「当院でできること」と「他院にお願いすべきこと」を分けて、必要な場所につなぐことを大切にしています。
まとめ
血圧を上げる食べ物は、しょっぱい食品だけではなく、「塩分が多い食品」と「交感神経を刺激する食品」に分けて考えると理解しやすくなります。濃い味の自覚がなくても、カップ麺・加工肉・スナック菓子・エナジードリンク・お酒などが積み重なって血圧をつくっていることは少なくありません。
過度に不安になる必要はありませんが、家庭血圧が繰り返し高い、健診で他の異常も指摘された、という場合は一度確認しておくと安心です。食事の工夫だけで迷ったときも、遠慮なくご相談ください。
ご予約(つつじヶ丘駅前内科クリニック)
血圧が高めで気になる方、健診結果をどう受け止めればよいか迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。血圧について落ち着いてご相談されたい方には、比較的ゆっくりお話ししやすい火曜・水曜・木曜のご予約がおすすめです。(健診結果をお持ちいただくと、よりスムーズにご案内できます。)
当院は予約優先制です。以下からご予約いただけます。
- LINE予約: https://line.me/R/ti/p/@192wylmn
- WEB予約: https://tsutsuji.reserve.ne.jp/
著者
つつじヶ丘駅前内科クリニック 院長
医学博士・腎臓専門医・透析専門医・内科認定医
小出高彰
