血糖を下げる食べ物 5選

血糖を下げる食べ物を知ることは、糖尿病やインスリン抵抗性の予防・改善に非常に重要です。血糖を下げる(あるいは急激に上げにくくする)食べ物について、解説していきます。

血糖を下げる食べ物:①ブロッコリー

ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」は、インスリン感受性を高め、血糖値の上昇を抑制する働きがあるとされています。
このスルフォラファンが2型糖尿病患者の空腹時血糖を改善したという論文があります(Sci Transl Med. 2017)

血糖を下げる食べ物:②ナッツ類(アーモンド、くるみ等)

ナッツ類は、不飽和脂肪酸、マグネシウム、食物繊維が豊富です。血糖値の急な上昇を抑え、満足感も得られるため、どうしても間食をしたい場合にはおすすめです。

論文でも、アーモンド摂取により食後の血糖とインスリンの上昇が有意に抑制されています。(Jenkins DJ, et al. Metabolism. 2002.)

ただし、ナッツ類はカロリーが高いので、1日20g程度にしましょう。

血糖を下げる食べ物:③酢(特に穀物酢やリンゴ酢)

酢に含まれる酢酸には、胃の排出を遅らせることで、糖の吸収を遅らせ、血糖上昇を抑制します。
食事と一緒に酢を摂取した被験者は、血糖値の上昇が有意に抑制された研究結果もあります。(Johnston CS, et al. Diabetes Care. 2004.)

すなわち、空腹時にお酢を飲むのではなく、食事と一緒に摂取するのがおすすめです。

血糖を下げる食べ物:④玄米、全粒粉パン、大麦

低GI食と言われる、玄米・全粒粉・大麦は、食物繊維が多く、消化・吸収がゆっくりです。
低GI食は糖尿病患者においてHbA1cを有意に改善したと報告もあります。(Jenkins DJ, et al. Am J Clin Nutr. 2002.)

血糖を下げる食べ物:⑤ベリー類(ブルーベリー、ラズベリーなど)

ベリー類には、抗酸化作用+血糖上昇抑制効果があります。ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」には、インスリン抵抗性の改善効果があり、すなわちインスリンが効きやすくなり血糖が下がりやすいです。
研究でも、ブルーベリーを摂取した人は、インスリン感受性が向上したという論文があります。(Stull AJ, et al. J Nutr. 2010.)

食べ方の工夫も重要

野菜→たんぱく質→炭水化物の順で食べる(ベジファースト)

最初に、野菜を食べることで、野菜に豊富に含まれる食物繊維が胃の中でゲル状になり、そのゲルが小腸での糖の吸収を遅らせてくれます。その結果、炭水化物がすぐに吸収されず、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を防いでくれます。

次にたんぱく質を食べると、たんぱく質由来のアミノ酸が刺激になり、少量のインスリンが分泌されます。これにより、糖質が入ってきたときに血糖を処理できる準備が整い、糖分による血糖値の急上昇が防がれるわけです。

また、食物繊維やたんぱく質は、消化に時間がかかるため、胃から小腸への移動が遅くなります。そのため、その後に入ってきた炭水化物(糖質)もゆっくりと小腸に届くため、血糖が上がりにくくなります。

噛む回数を増やす

●食後血糖の上昇をゆるやかにする
よく噛むことで、食べ物が細かく分解されて胃にゆっくり送られるため、消化・吸収が遅くなります。胃の内容物の排出が遅くなり、糖質の吸収スピードが下がるため、食後の急激な血糖上昇を防ぎます。

●インクレチン(GLP-1など)の分泌が増える
よく噛むと、腸から分泌されるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンの分泌が増えます。このGLP-1は、胃の動きをゆっくりにし、食欲を抑え、インスリン分泌を促す、胃の動きをゆっくりにする働きがあります。そのため、GLP-1が多く出ると、血糖の上昇を抑えます。つまり、噛む回数を増やると、GLP-1の血中濃度が上昇し、血糖上昇が抑えられます。

● 食欲のコントロールがしやすくなる
よく噛むと満腹中枢が刺激されやすくなるため、過食を防ぐことができ、結果的に血糖が上がりにくくなります。満腹感は、食べてから20分ほど遅れて脳に届くため、早食いだと食べ過ぎになりやすいです。